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心筋梗塞の新しい治療・予防法の開発

突然死を引き起こす心筋梗塞について色々な事がわかってきている

心筋梗塞は適切な処置が行われなれば死につながる非常に危険な病気です。
医療技術が進化し、色々な研究から様々な病気の原因や治療方法が見つかる中、心筋梗塞については早期発見し即治療を行う必要がある事がわかっていても、いつ起こるのかなどの予測はついていない状態なのです。

今回この心筋梗塞について行われた研究では、心臓疾患の中でも重篤になる可能性が大きい心筋梗塞急性期に、アラームシグナルとなるATPが通過する放出通路として、Maxi-Clアニオンチャネルが利用されている事を掴んだのです。
この研究は生理学研究所の教授達と、滋賀医科大学の教授たちによる研究グループが行ったもので、これにより心筋梗塞の予防法に貢献できるかもしれないとされています。

細胞のアラームシグナルとなるMaxi-Clチャネルとは

通常このMaxi-Clチャネルは、静止している状態になっていますが、病気の症状の刺激や生理的な刺激を受けると活性化し、陰電荷をもっているアニオンというイオンなどを通過し細胞の内側から外に放出されるものです。
放出されると細胞容積が元に戻り細胞が死なない様に調節するという働きを持っています。

Maxi-Clチャネルはポアサイズが大きいと放出される物質内部にATPが含まれるという事が注目点です。
このATPが細胞膜上のATP受容体に刺激を与え細胞、その周辺の細胞に働きかけを行い、それがアラームシグナルとなることでいろいろな機能を引き起こすといわれています。

研究によってわかったこととは

今回の研究によってMaxi-Clチャネルを構成しているコア分子が「SLCO2A1」タンパクであることがわかったという事です。
このタンパクがプロスタグランジン輸送機能を阻害するとされるお薬などがMaxi-Clチャネル電流を非常に強く抑制しているという事が判明しています。
また心臓に虚血から再灌流を起こした場合、心筋などからATPが出てくることがわかっていますが、虚血から再灌流を起こした後に起ってしまう細胞障害を緩和するという報告も出てきているのです。

SLCO2A1をノックダウンしているマウスの心臓に利用し、虚血から再灌流についての実験を行ったことで、心臓のATP放出にもSLCO2A1が関係していることもわかってきたといいます。
この先、こうした事がさらに明らかになっていくことで、心筋梗塞のメカニズムについて解明する事や、新しいお薬を作る事、さらに予防についても貢献されるのではないかと期待されるのです。
心臓の病気というのは慢性のモノと急性で一気に様態を悪化させるものがあります。
研究が大きく進めば助けられる命がより多くなるという事です。